Attack2021筑波を見て感じたこととか雑記

ご縁がありまして2/20に行われましたAttack2021筑波の裏方として携わっておりました。

今回は実際に間近で見たAttackの感想になります。多分面白いものではないですが小話だと思って見て頂けると幸いです。

 

 

 

そもそも「Attack」とは何か?

元々はオートストラリアで始まった「World TIme Attack Challenge(WTAC)」のようなものを日本でもやりたかった。ということだそうですが、そこはさておき。

ありていに言えば「速いチューニングカー達で集まってタイムアタックしようぜ」というお祭りです。

更にAttack有史以前のお話になりますが、チューニングカーの指標といえば昔は谷田部の最高速テストというものがあり、その後パワーが出すことが容易になってきた90年代頃から筑波サーキットのタイムがチューニングカーの指標になってきました。

過熱していくチューニング熱の中、メーカー・個人含めトップクラスの極端に速い人たちが表れ始めます。サーキットは通常、20台程度が同時にコースインし、何度も周回しながらベストタイムを出していきますが、極端にタイム差があるとすぐに遅い車にひっかかってしまう、極端なチューニングのためずっと走り続けることができないといった制限からタイムアタックがしづらい不満がありました。

 

そこで

1、数台というごく少数のコースイン

2、数週しかタイムアタックしない

3、ベストタイムが狙える厳冬期、朝一の走行

という組み合わせができ、今のスーパーラップという形になっていきます。

走る側からすると、超スイートスポットをオールクリアで走れるという今までになかった好条件で走れるわけですね。

 

ルール無用というチューニングカーの原点

「参加者にとってベストな車でベストな状況を作り出せる走行会」という部分をAttackはとても大切にしています。

ですので、クラス分けの為のルールはあっても「チューニングを制限をするためのルール」は何もないのです。

どんな車でも良い、どんな方法でタイムアップしても良い。タイムだけが指標です。

レースや競技は公平にするためのルール決めがありますが、ここには何もない。それがまた個性的な車の参加を可能にして、面白い一因だと思います。



2つ、超個人的な意見を書きます。個人ブログの特権で。

1つ、今のチューニングカーというのはいろいろ合法で車検にも通って、車高が下がっても快適だとかノーリスクでパワーが出るとか、誰でも気軽にできるようになって便利になったものです。

でもチューニングの原点って、そこじゃないと思うんですよ。

デメリットに目をつぶってでもちょっとでも自分の車を速くしたい、どこまでが限界なのか知りたい、そういう原点に近い心意気が残っているのがAttackの参加者にはあるのでないかと。

もう1つは、「好きな車で行く」というチューニングの原点。どんな車で走っても良いんです。今回でも例えばS13シルビア(ワンエイティ)、例えばランチアデルタ。当然タイムを出すには不利なマシンです。

でも俺はこの車が好きだからこれで行く。というのもチューニングの原点だと思います。

競技だと改造の制限上、どうしても有利な車と不利な車が生まれ、有利な車に乗らざるを得ないし、最初から選択肢が限られる。

そういった部分のアンチテーゼとしてAttackという大会を見ると、見え方が変わってきます。

 

全ての大人が本気になるエネルギーを感じられる数少ない場所

本当は「おじさん」って書きたかったけどお兄さんとかお姉さんもいるからね。自重した(笑)

けど大人になるとそんなにがむしゃらに本気に何かにうちこむって、ほんとなくなると思うんですよ。

でもここにいる人たちは本当に活力に溢れていると思う。

この舞台に立つまでにだって、どれほどのお金と時間と人を使ったか分からないはず。ここに到達するまでに何度思うようにいかず痛い目を見たか。

そして当日のこの60秒に満たない短い時間に全てを込むわけです。

それだけのエネルギーが集中するのがAttackなんですよね。

レースや競技だって本気でやってるのでそりゃあエネルギーが集まっているんですが、それとは少し雰囲気が違うのがAttackです、ともお伝えしておきます。

レースは「レース中は敵でも、レースが終われば親友」という言葉もありますが、Attackは最初から全員親友ですからね。みんなで結果を残そうというチームのような結束力を感じます。

 

完全なドライバーファースト。

ここは多分あまり語られることがないと思うんですけど、どんな走行会よりもドライバーファーストです。

タイムを出すには極限の状況が求められます。例えばタイヤウォーマーは走行直前の1秒まで長くつけたままにしておきたい。気になる箇所は全部直してから走りたい。ドライバーの精神的にベストな環境で走りたい。

ぶっちゃけ、可能な限りは全て希望を受け入れてます。

なので、事前に準備したスーパーラップの順番やタイムスケジュールはアテになりません。絶対にタイスケに変更があります。しかも数分前に変更連絡が来たりします。

運営側からするとこれ以上無いめんどくさいやり方です。考えが固い人じゃできないでしょうし、批判されることもあるでしょう。

でもこれを押し通す。それが全員ベストなアタックを行うドライバーファーストになるからと。

日本一参加者に優しい走行会と言っても良いのではないでしょうか。

  

そもそものファンとして。

名称の変遷はあるもののAttackが始まったのが2012年からで、その頃の私は普通の?車好きでOption誌とか読みながら「Attackってすごい車がいっぱいいるんだなー」って思ってた一般人でした。

アンダー鈴木さんはそこらのプロレーサーより憧れの的でしたし。

そこから色々あって裏方に携わることにもなって、本当にチューニングカーが好きな人たちが集まってる良いイベントなんだなぁと思った今回でした。

これからもこのイベントが長く続いてくれることが、単にタイムだけでなくて、チューニングカーの在り方とか、参加者のモチベーションとか、タイムアタッカーをこれから志す人にとってもとても重要な意味を持ってくれるのではないかなぁと思います。

また来年も何かの形で携われると良いなぁ。