少し番外編になるのですが「GRヤリス」に筑波サーキット(TC1000)で試乗させてもらえる機会をもらったのでそのインプレッションをここで書いていきたいと思います。
まずGRヤリスの大まかなスペックを。
・エンジンは新型1.6リッター直噴ターボで最大馬力272PS、最大トルク37.7kg・mを発生する「G16E-GTS」を搭載
・車重は1280kg
・新開発のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を搭載
このスペックで思い出すのはランサーエボリューションかインプレッサWRX辺りであろうと思います。自分が以前乗っていたことのあるエボ7RSを指標として記載しておく。
・2リッターターボ 最大馬力280ps、最大トルク 39.0kg・m
・車重1320kg
・フルタイム4WD
さて、試乗した感想です。進む、止まる、曲がるで切り分けてみます。
・進む
単純なパワーは本当にエボ並みです。ターボラグは明らかにエボ7より少なく、NAギンギンの車からの乗り換えでなければ気にならないレベルでは。
ミッションのギア比がクロスになっててつながりも良く、2~4速までのシフトアップでも失速感があまりないのも素晴らしい。
・止まる
純正の状態でブレーキのカッチリ感がすごい。純正のブレーキパッドでここまで安心してサーキットでブレーキ踏めるのは初めてです。
サスの前後バランスもよく考えられていて限界に近いブレーキングでもリアが暴れる様子もなく安心して踏める設定。現行スープラの方が明らかにブレーキが足りない感じがしました。
・曲がる
一番驚いたのがここ。素晴らしい以外の言葉がでない。
純正タイヤがパイロットスポーツなのでほぼハイグリップの認識で良いと思いますが、ショック性能が素晴らしく高くて縁石に乗せても姿勢がビシッと決まる。
言葉でうまく言い表せるかわかりませんが、バネはそこまで硬くなく、ロールはそこそこしますがある程度で収まり、ロールオーバーになるほどのロールは起こさない。ほんとに安心して攻められる設定はよーく煮詰められたセッティングなんだろうなぁと感じました。4WDですがエボのような曲がり辛さはなく、ターンインは素直なまま、脱出時は4WDのトラクションを存分に生かした走りができます。リアの設地感から来る安心感がすごくて、逆にジムカーナで振り回すとなると少しセッティングのいじり方が難しいかもってレベル。
ノーマルの性能ですら高すぎて使いこなすのは相当に大変です。車高調をはじめ下手な社外はむしろ性能を落とすだけなのでチューニングパーツの導入はよく考えた方が良いと思います。
という感じなんですが、伝わるでしょうか。
総合的に「トヨタ、やべぇ車出して来たな」という感じです。ほどほど最近の新しいハイパフォーマンスカーには乗ってきましたが、純正でここまで完成度の高い車は初めてです。新しいスープラとどちらが完成度が高いかと言われれば、GRヤリスの方に軍配が上がるほどに。
コンパクトカーとしては規格外に速い車なので旋風を巻き起こすこと間違いなしだと思います。そして恐ろしいのはこれがなかなかイージーに速いという部分。先日のスーパー耐久富士24hで優勝できたのも、この「イージーなのに速い」というベースの部分が大きいのではないかと思います。
そういう訳でこれからのGRヤリスの活躍にはすごく期待が持てる試乗体験記でした。